新潟県の卓越風は北西。
この事実一つだけとっても家相というものが困ったものであるとわかります。
南に居住スペースをもってきて水回りを北側にして北東鬼門は避ける
というのがよくある形ですが、この場合に問題になるのは換気。
残りの北西にトイレやら浴室を持ってくると強風時に換気扇が逆流するのです。
特に山の吹きおろしのある地域ではいかにいい換気扇やフードを使っても解決できず、
頭を悩ませることがあります。
すなわち、健康のためという信念で北東トイレを避けたものが
気象という現実でかえって健康を害することがあるのです。
そもそも北東が鬼門という話、一説では中国に鬼門はないとか
騎馬民族が都の北東から攻めてきた説とか、あるいは砂嵐が北東風とか
というくらいに自称研究家の方が情報であふれているので
あまり信じすぎるのもどうかと個人的には思うのです。
翻って、パッシブデザインとやらの模式図、南から入った風が吹抜を通って
片流れにした北の高窓から抜ける、なんてのをよく目にするわけですが、
新潟県の卓越風は?そう、昼間には北風が吹くのです。
海が南にある太平洋側と逆なわけで、この点でも新潟県は逆の考えを持たなければなりません。
教科書通りにやってしまう若い建築士の諸君、惜しい!
家づくりは科学です。
だからこそ途中までは科学の服を着ている話には注意が必要なのです。
風についての考察は今も昔も一筋縄ではいかないのですね。
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