前回、揺るがないデザインとしっかりした素材感が非常に大事と気づいたお話をしました。
モデルハウスプロジェクトは完全に振り出しです。
実はこのときにはもう、建物自体は形になりつつありました。
救われたのは、ぎりぎりで素材感のある輸入サッシに変更したため
デザインの方向性が広がったことです。
いろいろなモデルハウスにもお邪魔しましたが
どれも空気感とやさしさを感じさせてはくれませんでした。
そんな中、群馬のハウスアンドガーデン社に出会い、
社長の根岸喜久夫さんと専務の井坂恵子さんに悩みを聞いてもらうことができ、
その後もいろいろと交流をさせていただき、また非常に多くを教わっています。
ついに住みたい家に出会った、というよりも海外生活の懐かしさと子供時代の懐かしさを
同時に思いおこさせてくれたのがこのH&Gの家だったのです。
輸入住宅はたくさん見てきましたが、どれも建材だけ輸入した洋風の家でした。
ところがH&Gの家は輸入住宅ではなく、建材は確かに輸入品ですが、
それよりも空気感をしっかりと再現した日本の洋館だったのです。
そして新建材に頼らず国内外の職人が家を建てているところに
体の細胞の一つ一つが共鳴したのです。
新潟の木の家に感じていたやさしさの無さに対する疑問や
デザイナーズハウスに対する重みの無さへの疑問が
まるで絡まった紐が解けるように消えていきます。
「これが日本の家に欠けていた点かもしれない!」
勇者は叫び、さらに最終回は遠のきました。
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