懐かしい話なのですが、私が学生のころ
ジャランdeデートというマニュアル本を買ったことがあります。
必死だったわけです。
その中で今でも覚えている“なるほど”という点がお寿司の頼み方。
板さんには事前に「1万円でお任せで頼みます」と頼んでおくと時価の店でも怖くなく、
それに職人のプライドとして「たったこれだけで1万円?」と思わせたくなく、
少しおまけしてもらえがちなところがあるようです。
(もちろんいきなり行って一見さんではそうはならないでしょうけど)
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この話は自分がデザイン職人になってよくわかるようになったもので
最初に「3000万円でお任せです」と言っていただくと
お見積もりは一式工事になりますが価格以上の内容のものになる傾向があります。
逆に一円でも安くと詳細な明朗会計を求められると
お見積もりは積み上げになりますので、おまけをしてさしあげることができづらくなります。
(電化製品を買うときに全体での性能は気にしてもモーターの値段を気にしませんよね?
家作りに詳細見積を求めるとはそういうことなのです。)
そもそも自由設計の家作りの現場においては工場生産ではないので
職人さんの手間をお金に換算することは不可能ですし、
また、可能であってはならないものです。
言い換えると、大工さんをはじめとする職人さんが活躍するものづくりにおいては
明朗会計を謳っていればボラれないというのは幻想で
それよりも大切なのは「一緒にいい家にしよう」という、お金を介さない信頼関係です。
ですから満足以上の家を作るには、ご希望の予算とはずせない点を明確にして
その上で、「お任せで」この一言が家作りの大切なキーワードだと私は考えています。
「職人との信頼関係---プライスレス」
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