壁の力とは言っても構造上のお話ではございません。
よく御希望いただくのが仕切りのない広い空間にしてほしい、ということ。
でも、構成によっては仕切り壁をお勧めすることもあります。
実例を見ていただき、ご納得いただけるので当社の建物には結構壁があります。
なぜお勧めするかというと、壁があることで空間に奥行きが出て
かえって広がりがもたらされるからなのです。
とくに大きくない家の場合はこの壁が絶大な効果をもたらします。
適度に壁があることで家具を置くスペースが生まれます。
同じ理由でフローリングのリビングには、大きなはきだし窓はつけないようにしています。
特に玄関と同じ面にはきだしがある場合は「変な洋風の家」になってしまいますし
ユカ座の可能性があるときはなおさらです。
ユカ座というものは広縁や縁側によって初めてプライバシーが守られるものなので
洋間リビングのはきだし窓は落ち着いた部屋にならないのです。
その場合は、窓も高さで光を確保して幅を狭くすることで壁を残します。
するとまたまた部屋が広く見えます。
残念ながら日本の住宅事情は大きな空間といっても限度があります。
さらに、敷地によっては外とのつながりや開放感があだになります。
そんなときはいかに広く見せるか、内側に開放してあげるかという発想の転換も必要なのです。
この手法によりナチュラルリビングの家は、
開放感がありながらなんとなく落ち着くといわれるのです。
家は写真に撮って派手であることよりも、中に住んで落ち着くことが一番大事。
そのためには光よりも影、開放感より壁の力を発揮させてあげるといいのではないでしょうか。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。