ナチュラルリビングは輸入住宅と誤解されました、というお話ではないのですが、
ちょっとしたきっかけで目にしたHPでびっくりしたことがあったので書きます。
それはツーバイフォーに関することの質問掲示板の書き込みでした。
ツーバイフォーは大きな開口が取れず、窓が小さく、ベランダが作れず
増改築が難しいということ。
フロリダのマフィアの邸宅を思ってください。
大きなプールがあって、リビングからはテラスドアで2階にはベランダ・・・
あれ?大きな開口とベランダがありますね。
ツーバイフォーで窓が小さいイメージなのは
石造りのヨーロッパの街並みとごっちゃになっているのだと思われます。
いつもの「欧米ごった煮」というやつですね。
増改築の時に壁量の制約を受けるということも、在来軸組み工法と一緒です。
(まあ、強度的に気にしないのであれば柱でつくる在来工法のほうが有利ですが)
ナチュラルリビングの建物は窓を意識的に小さく作ることがあります。
南面信仰の強い日本では窓を大きくすれば光が入るものと考えがちですが
それでは明るいと感じるようにならないのです。(これは以前書きました)
それに欧米風住宅のデザインの家で窓を大きくすると、
どこかバランスを欠いて違和感が強くでてしまいます。
同じ理由で掃き出し窓やベランダを玄関面に造るということは、私はあまりしません。
デザインは別にして、他の工法を攻撃しようと嘘を書くのはどうかと思います。
ひどいのになると、湿気の多い日本では、と、きたもんだ。
西日本では建てられないよ、という極端な例も。
(湿気に関しては、しっかり施工しないとどの工法でも家が傷みますよ。)
ナチュラルリビングではどういう空間構成がお気に入りかにあわせて
ツーバイシックスと在来軸組み工法を使い分けています。
もちろんどちらの工法にも一長一短があり、どちらが優れているということはありません。
嘘とまでは言わずとも、ごもっともに聞こえる講釈がまかり通っているようです。
日本建築の本流を言うなら、実は在来軸組み工法も、その名前とは違って歴史の浅い工法で
歴史的建造物の木造架構とは違うものです。
(現法制下では、本流に即した伝統日本建築は建てられません)
だから軸組みもツーバイフォーも頭のいい人たちが、
現代の要求にあわせてよーく考えて考案したものですから
しっかり施工できるならどっちでもいいのです。
迷われてる方へのアドバイスとしては、
一方の短所を攻める会社には頼まないほうがいいですよ、
といったところですね。