「海外の家みたい」というご感想が多いです。
どこからきているのかなと考えます。
恐らく「日本の家じゃないみたい」ということへの同義用語なのでしょう。
では、日本の家って何だろうということになります。
ナチュラルリビングの家はキッチンもお風呂もワンオフの手作り品が標準仕様。
もちろん場合によっては浴室に既製品も入れますが
メーカーのシステムキッチンを使うことはまずありません。
この点が日本的でない一つ。
また、天井を明るく隅々まで照らす照明もつけません。
これが二つめの理由。
そしてシャープなデザインにしないことで、三つめ。
これらが日本的でないといわれる原因でしょう。
でも、日本の家って昔はどうでしたか。
システムキッチンではなくワンオフのお台所、天井灯はそれほど明るくなく
デザインは紙と木でほっこりですから、あれ?ナチュラルリビングのことですか?
きっと、ナチュラルリビングは現代の日本の家じゃないみたいということですね。
私にとっては、洋書スタイルという言葉を使いながらも
東洋も西洋も人間の住に対する本質は同じに見えるので形自体はどうでもいい。
ただ、日本の伝統的プロポーションの窓や照明をつくっている会社がないので
日本建築がやりにくいというだけです。
当社のデザインを真似たいんだろうな、という事例も何度か目にしましたが
装飾して洋風にすればいいと考えているうちは無理です。
私たちのコンセプト「憧れのあの家」にある「憧れ」とは
時間軸の中のもう戻れないセピアの時代や、空間軸の中の海外の風景です。
それを表現できるのは当社のスタッフにも、あるいは業界を見渡しても私以外いないのです。
なぜにこんなにも、この点だけは上から目線かというと
私の経験、古民家で生まれて、築数百年のイギリスの家でホームステイし
アメリカとヨーロッパに40回以上行き来してそのデザインの変遷を観察しているという
「ちょっと珍しい建築好きな素人」だからなのです。
もし皆さんがレザンやヴァインに来て「海外の家みたい」と思う時
それは海外を思い描いているのではなく
皆さんの心のどこかにある「家ってこうあるべき」という気持ちが共鳴しているのだと思います。
ハウスメーカーの家のデザインも本当に素晴らしく進化しています。
でも、どこかやさしさが失われているように感じることへのアンチテーゼが
ナチュラルリビングの家なのです。
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