ナチュラルリビングのよく使う洋書スタイルとは、誰が最初に提唱したのかは不明ですが
非常に言い得て妙な言葉です。
解釈がいろいろで「洋書に出てくるような家」という場合と
「洋書をおいても似合う家」とするケースもあるようです。
私は前者の解釈で考えていて、では洋書だからと西洋の家をつくっているかというと
これまた私の解釈では違うのです。
西洋の本でも20世紀前半には日本を訪れて旅行記を記した人々のものもあり
その時代背景があるような和の家も好きです。
もちろんそのまま古く作るわけではなく、性能を得て正常に進化したらどうなっただろうな
という観点です。
私は日本の家はニセモノ文化の亜流が進化してしまっていると感じていますから。
傾向としてはナチュラルリビングは基本的に日本の空気をもちつつ、
それでいて海外の家のようにデザインしますが、そこには大きな理由があります。
それは、正統派日本の家に使える建具が市場に無いこと。
窓の色もデザインも日本の風景にあうものがないのです。
その形は眺望の為といいながら和の黄金比率を崩してしまっていますし
色に関しては日本の木に合う合わない以前に気持ち悪い色のものしかありません。
だから違和感無い和の家がつくれないのです。
もう一つは照明器具。
和室につける照明を探すのにいつも苦労しています。
わが家の照明は祖母の家から持ってきた30年以上前の物ですし
レザンの和室にも昭和初期の照明がついています。
最近の物は和モダンの家や温泉旅館ビルには合うでしょうが
どのメーカーを見ても柔らかいもの、あるいは職人気質が見えるものはありません。
海外の窓は何十年経ってもスタンダードなデザインがあるので交換可能ですが
日本のメーカー品は数年でカタログ落ち。
照明もそうで、しかもPSE法というとんでもない悪法により昔の照明は使いづらくなっていますし
日本の部屋の風景はどうなってしまうのでしょう。
(ちなみにPSEの立法は大っ嫌いな二階とかいう政治家のせいで、
この人原発や国土強靭化など見事に私と正反対の人間です)
決して懐古趣味で言っているわけではありません。
ただ、建材メーカーが悪ふざけとも言うべきデザインの商品を短いサイクルで出している
この日本の家づくりの現状を鑑みるに誰も異常だと思わないのでしょうか。
要は違和感なく納まる建材を使っていたら洋書スタイルになるのは必然だったので
海外かぶれとかそういうのではないのです。
そこに古民家で生まれて海外経験が多い私が合わさると
ナチュラルリビングという形になるわけです。
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