ナチュラルリビングを始めた15年位前、
私のデザインはご見学のお客様に「ここまでしなくても」とよく言われました。
最近は「ナチュラルリビングさんはシンプルですね」と言われます。
デザイン手法は全く変えていません。
まわりの工務店がデザインというものをするようになってきたんですね。
そしたらどんどんどんどんいろいろくっつけるようになって、
間接照明や石を模した壁など「差別化」しているつもりで同じような家ばかりになっています。
流行に乗ることは悪いことではないとは思いますが、ナチュラルリビングは違います。
流行を取り入れると消費されるデザインになるので住宅のような長期財には向かないのです。
ナチュラルリビングが流行に背を向けた理由はある質問サイトでした。
「どうして日本の街並みは統一感がないのか」(古い記憶なのでここは曖昧です)
みたいな質問者の疑問に対して、回答者、多分どこかの教授じゃないかと思いますが
「新しいカタチを作ることをデザインと呼ぶのが日本のデザイン教育の間違い。
昔から使われてきたものもデザインですから徹底的にクラシックにこだわるのもいいと思います」
のように答えていて、それに対しての風当たりがひどかったんです。
「デザインをわかっていない」だとか「新しいもので何が悪い」のような、
多分建築学生さんでしょうか、どこかで賞でも取って偉くなった気にでもなっていたんでしょうか
まあそのようなやり取りがあったんです。
実際に若い設計者を見ると、新しいカタチを作ることをデザインと呼んでいる層は一定数います。
建築士試験に受かるための勉強でも日本の近代建築の事例紹介にかなりその傾向があり、
私のように景観を大事にする人間には不愉快そのものに感じたものです。
建築番組なんかもスキップフロアやガラスの家を取り上げたほうが視聴率につながり
それがいい建築の評価のように錯覚させられます。
ナチュラルリビングでは街並みをおもちゃにせず、作品を作らず、
作り続けられてきたデザインを大事にしていきたいと考えています。
それがやりすぎに見えてもシンプルに見えても、
これまで残ってきたものはこれからも残っていけるからです。
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