なんてあるわけないのは当然。
ただ、利益をどう表現するかは各社の考え方。
先日見つけたHPで「当社は経費をいただきません」という会社があってびっくり。
多分中東に油田を持ってる本社があって家づくりは慈善事業な会社なのでしょう。
<参考>
よくみかける皆さんを説得しようとするホームページの例
「ハウスメーカーの場合」
建築本体 1500万円+設備・照明500万円
+オプション200万円+経費500万円=2700万円
「でも当社、○○ハウスで建てると」
建築本体 1500万円+設備・照明「いただきません」
+オプション「いただきません」+経費「いただきません」=1500万円
<引用終了>
・・・んなわきゃーない!笑
いくらハウスメーカーが暴利をむさぼると言ってもここまで差が出たら全くの別物です。
諸経費もオプションも設備も本体工事に入っているならそれだけ本体工事が安物です。
まあ、騙されませんよね。
建築の見積もりは同じことをやれば同じ「価格帯」に落ち着きます。
次は表示の仕方。
例えば全く同じ建材、同じ仕様で最終税込み契約額2000万円の家があったとします。
A社
本体工事1200万円+設備400万円+経費400万円=2000万円
B社
本体工事1000万円+設備250万円+経費750万円=2000万円
C社
本体工事2000万円+設備0万円+経費0万円=2000万円
全部嘘ではありません。
A社は本体工事や設備にも利益を含ませておき経費率(利益率)を低く見せています。
B社は原価を明瞭にして経費率は正直に高め。(ナチュラルリビングはこの方式です。)
C社はすべて本体工事に含んでいます。
さらに見積書における坪単価の表示を行っている会社もあります。
この建物が40坪だとすると最終坪単価は50万円ですが
A社の見積もりを例にすると1200万円÷40坪で
本体工事坪単価30万円と表示することもできますし
利益を除いた坪単価を表示するなら1600万円÷40坪で
工事坪単価40万円と書くこともできます。
実際、見積書に本体工事(のみの)坪単価を記載している会社が私の知る限り4社あります。
で、担当さんは「お宅は坪単価30万円ですよ」と刷り込むわけです。
この坪単価、A社は上の例の通り
B社は1000万円÷40坪で本体工事坪単価25万円
または1250万円÷40坪で工事坪単価31万円にできますが
ナチュラルリビングの坪単価はC社方式。
利益も消費税も仮設工事だろうが地盤改良だろうが全部入れて契約額を割り返します。
2000万円÷40坪で契約坪単価50万円というふうにナチュラルリビングでは表示します。
つまり、ナチュラルリビングでは当社の利益をはっきりとさせて
坪単価では一番高く見える方式を取ります。
ついでに面積もベランダやポーチを入れずに一番分母が小さい方式です。
競争の面ではかなーり不利ですが、これをしないとお客様の資金計画が難しいですし
いちいち後から出てくる「話が違うような気がする」なんて疑問を説明するほど暇じゃないのです。
疑問を持たせるということは何か隠しているということですから、私の信義に反しますし。
さて、本当の坪単価は契約額をルールに沿った建築面積で割らなければ比較できません。
ましてや本体工事とは別ページに経費を載せるのはいいにしても(よくない!)
そこに登記費用などの法定費用まで書いてしまうというのはどうかと思います。
なぜなら代行するにしても預かり金に関しては建築会社が「契約」するものではないからです。
ですので皆さんが比較する時は利益率や坪単価がどうのではなくて
最悪にも法定経費が入っていたなら入っていたなりに
最終の同じものが含まれる契約額を比較するのが正解です。
1円でも安く建てたいという気持ちはいずこも同じ。
でも、建築の見積もりというのは同じ品質や性能のものは価格が横並びです。
実際当社が(ナチュラルリビングではなく武江組として)
あの有名なローコストメーカーと同じように新建材で建てた時はほとんど同じ価格になりましたし
まあ、建材の大量仕入れの分は変わりますが、建材はそんなに差が出ませんでした。
実は差が出たのは大工手間。
こればかりは1日数千円で受ける大工さんにはかないませんでした。
ナチュラルリビングでは職人さんの手間は大事に考えています。
人の手が作るものですからね。
(特に公共事業に携わらない若い職人さんを大事に考えます。)
この業界では「もうあの会社の仕事はしたくない」なんて話はとても多いです。
職人さんにそのような気持ちで仕事に当たってもらうなら、いい仕事は期待できないですしね。
私たちもみなさんも技術の継承の為には削減してはいけないところがあるのです。
幸いにしてナチュラルリビングの仕事をしている職人さんは
現場で私と冗談を言いながらも真剣に楽しく仕事に当たってもらうようにしています。
ちなみに、伝票を右から左の問屋さんの経費は無慈悲に削ってます。
何次卸もあるのっておかしいですから。
うちは輸入販売者から直接、そして大事な部分は自社買い付けなので
味のある輸入建材に関しては当社より安くはならないでしょう。
職人さんの手間を大事にしたいと思う人はここを↓ぽちっとな
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。