ナチュラルリビングの内覧会に来られたことのある方の感想で
「あそこまでやらなくてもいい」
というものがたまにあります。
むしろ私に言わせればいわゆるナチュラル系のカワイイ家のほうが
あそこまでやらなくても・・・と思うのですが、まあ個人的な感想なので。
こんなこと書くからナチュラルリビングは難しいって言われると自己反省。
さて、こってりしているポイントの一つに建具回りがあります。
それはケーシングの存在。
私がこの仕事を始めた当初、ケーシングを否定していました。
基本、建具周りは平枠おさめですっきりと見せようと考えていましたが、
やはり歴史には逆らえないもので経験が増してくると違和感を覚えるようになります。
引違い窓には平枠が似合いますが、開き窓や上げ下げ窓には平枠はちょっとぶっきらぼう。
あえて日本式洋間を目指す場合やワイルドなランチスタイルにする場合を除いて、
違和感のない洋書スタイルを目指す場合は不可欠なパーツだと気付きました。
あるいは平枠すらないダキおさめにするか。
わざわざ新しいカタチを求めてケーシングを否定する必要などなかったのです。
ナチュラルリビングでは設計時にはケーシングの種類を決めません。
それは部屋の色使いも合わせて躯体ができてきたときに決めるから。
壁に使う色でケーシング形状も変わるのです。
もちろんそれで追加費用が発生することもないですが、それだけ手間をかけます。
私は、光と風を計算することは、建つまでは絶対にできないと考えていますから。
光と風を計算するなんて設計事務所の傲慢です。
同じように屋根形状も歴史には逆らえません。
左右で高さの違う段違い屋根や片流れの屋根なども昔はデザインしましたが
結局はオーソドックスのデザインに戻りました。
ナチュラルリビングのドーマーなどを見ると
やりすぎと感じる方もいるかもしれませんが
歴史に残ってきたドーマーと歴史上に出てこない段違い屋根では
やはり10年後の満足感が違います。
一昔前は片流れ全盛、今は猫も杓子も段違い屋根ですが、
果たして、私はここで予言します。
5年後にはケーシングの重要性に気づき、屋根はオーソドックスな形状に戻るでしょう。
だって、今の上越の流行はナチュラルリビングの通ってきた道ですもの。
その時にはナチュラルリビングを見てあそこまでやらなくていいという方は皆無でしょう。
あるいは屋根は少雪地域では今までにない形で屋上利用に向かうと予言します。
屋上には太陽光発電?ないない。
さて、どこの会社が上手に違和感のないデザインができるようになるでしょうか。
すべて形には理由があります。ここを↓ぽちっとな
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