辛口が続く「いい家がほしい」シリーズですが、
成果物での勝負よりあまりに安易な宣伝が多いこの業界に一矢報いたいのです。
もう少しお付き合いを。
先日面白い傾向に気付きました。
家事・ママ・ラク・子育て・女性設計士・ペット・・・
このあたりのキーワードは大手ハウスメーカーでは使っていません。
いや、何が何でも大手がすごいとは思いませんが、
デザイン面や間取り面では大手に学ぶことはとても多いです。
そんな彼らがこの言葉を使わない理由。
普通に建てれば自然とそうなるよということで
ナチュラルリビングも含めて暮らしやすい動線は当たり前なのです。
逆に見れば大手以外のマーケットは中小工務店がひしめいていて
そして大変失礼なのですが、確かに大工さんが間取りした家は
家相はそれこそしっかり考えられていても家事がしやすいとは言い難い。
だから家事をしやすいとか女性目線(女性に限定するのもおかしいですね)とかいう
こんな当たり前なことを言うだけで売りになってしまうのでしょう。
確かに日本の家づくりはまだまだ発展途上で20年くらい前(1990年代でさえ!)の家を見ても
ナチュラルリビングよりも高い価格の割にレベルが伴っていないものも多いです。
大手のシェアも皆さんの想像よりもはるかに低く、中小工務店の昔ながらの家が多いですから
育ってきた実家がそんなでは、皆さんが家事らくの言葉に踊らされてしまうわけです。
しかし、しかーし、し・か・し、家事らくにしてもママ楽にしても
そうなるかどうかは住む人次第。
どんなに仕掛けをつくってもその人の基本行動のペースは変わらない。
これ、家庭内暴力が週刊誌ネタになっていた時に、
家族の会話のためにリビングを通らないと部屋に・・・ってのと一緒です。
実際には思春期の子供なんて親と話さなくて当然、べったりなら気持ち悪いかもしれません。
よくもまあいろいろ宣伝文句を考えるものですね。
以前も書きましたが、限られた面積での家事らく回遊動線の場合には
よほどしっかり考えないと物が置けない家になります。
例えばキッチンから脱衣室の動線は使いやすいですが
もっと優先すべきは、狭すぎない、そして広すぎない適正なサイズの脱衣室にすること。
ナチュラルリビングでは机上のアイデアをドヤ顔で説明するよりも
実際の使い勝手をデメリットも含めて説明しています。
「建築」と「生活」の間にはギャップがあってはならないのです。
だから、なんとかの匠が考えるようなアイデアにあふれた・・・を建築側に求めるよりも
自分自身のスタイルをプランニングの時に伝えるといいでしょう。
その家に住む「生活の匠」はあなたなのですから。
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