プランニング段階でいつも私の頭を悩ませ、お客様にあきらめの選択を迫るもの
それがソファの置き方にもあります。
それは、リビングに掃き出し窓と、隣接した和室が欲しいというご要望事項。
この問題にあたると、必ずといっていいほどプランニングが遅れます。
なぜか?ソファセットの置き方と座布団とちゃぶ台の生活が一緒に考えられているのです。
(これは建築士の人でも多いです)
日本のお茶の間はちゃぶ台を真ん中に囲みますからどの方向も壁がなくてもいいのです。
ところが、ソファが輸入され、テレビが普及すると話は変わります。
ソファセットはちゃぶ台と座布団よりもはるかに大きく、
8畳から10畳程度の部屋では部屋の真ん中においても窮屈になるだけです。
そこで大きく広げて壁によせるわけです。
すると、ソファで一面、テレビで一面、隣の和室で一面、掃き出し窓で一面、
これにダイニングをつなぐ時にはもう一面、合計5面必要ですね。
つまり、四角い部屋にこれらを考えるときにはどこかの面で二つ以上の機能を持たなければ
物理的に成り立たないのです。
で、和室へのふすまの前にソファを置くか、掃き出し窓の前にテレビを置くかなどの問題が起こります。
しかし、どれか一つをあきらめてもらえれば、再び平和が訪れるのです。
一例として、南面を腰窓にして、その面にソファを、東面にはダイニングをつなげ
西面に和室、そして北面にテレビという配置。
掃き出し窓をダイニングに持っていくだけで外観もはるかによくなりますし、
使い勝手にも無理がでなくなります。
もう一度言います。
日本古来のちゃぶ台スタイルでリビングを考えてはいけません。
お店では大きく見えないソファセットも家に入るととても大きいのです。
そしてソファは壁を背にしていないと落ち着かないのです。
あなたのリビングは居間ですか?応接間ですか?