雪が降ってきました。
今年の雪はいかがなものでしょう。
豪雪になったらなったで除雪を請け負っている当社はうれしいのが本音ですが
(東頚城の除雪レベルには自信があります)
それは別として降り始めは美しいものです。
さて、日本には美しい四季があります。
うんうんと賛同の声が聞こえてきますが、では四季があるのは日本だけでしょうか?
いいえ、もちろん海外でも四季がはっきりしたところは多く、それぞれ美しさがあります。
(逆に国内でも西日本では四季がはっきりしないところもあります。)
これは日本人にとって海外旅行が「憧れのハワイ航路」だったころの名残で
「海外=常夏リゾート」的な団塊世代以上のイメージが独り歩きしていて、
その上の世代になると「極寒のシベリア送り」という不謹慎と言われそうな例に行きつきます。
「四季がある日本は特別」感はつくられた共通認識なのです。
ですから建築の世界においては「四季のはっきりした日本でもこの工法なら快適」みたいな
宣伝がくみやすく、無意識に受け入れやすい土壌があります。
思うに、日本だけが四季がある国なのではなくて、正式には日本人は季語をたくさん持っている、
ということではないでしょういか。
言葉と文化は密接な関係があり、たとえば中東では「ラクダ」を意味する単語が100種類以上。
オスのラクダ、メスのラクダ、妊娠したラクダ、よく働くラクダ・・・覚えきれるのでしょうか。
したがって、季語をたくさん持つ農耕民族の日本人にとっては
季節とともに生きるということが昔からの重要事項なのでしょう。
もうひとつ気候に関するおもしろい傾向に不幸自慢があります。
うちの地域は日本でも最も○○だ、日本有数の○○地域だというもの。
上越が特に過酷なわけではないですよ。
これも建築工法の営業トークとして多く見られ、注意が必要なことです。
私は各社の工法間の喧嘩につきあう気はありませんが、
こういう共通感情にうったえる誘導的営業はいかがなものかなと考えています。
せっかく季語をたくさん持つ日本に生まれたのですから、それぞれの季節を享受し
フラットな心で楽しもうではありませんか。
だって、移住しようにも日本のほとんどは寒い冬とじめじめした夏があるのですから。
窓の外の雪を美しいと愛でましょうよ!