某M市の新井小学校の体育館の雪降ろしが大変で話題になってます。
勾配の緩い広大な屋根のうえ、体育館を取り囲む雁木がそれを難しくしているとか。
都会の一流設計事務所がデザインしたとのことですが、雪降ろしのことは考えなかったのかしら?
自然調和型校舎が聞いてあきれますね。
そもそも、あれを雁木と呼ぶことに違和感があります。
きっと「雪国の伝統ある雁木を大切に・・・」なーんていうコンセプトなのでしょうけど、
所詮部外者が考えたことですから、子供のころから慣れ親しんだ本物の雁木、すなわち
「一軒一軒が土地を拠出して自費で作る、デザインも構造もばらばらだけど機能的なもの」
にはかなわないわけです。
学校のあれは、雁木というよりアーケードに近いですよ。
とある学生が直江津の雁木のバリアフリー化していないことを研究題材にしていましたが
この「みんなで拠出する」という点を理解しないで雁木内の段差に目くじらを立てているのと一緒。
(私も仲町で泥酔した時は段差に目くじらを立てますけどね。)
だいたい補助金と一緒に大手設計事務所がついてくるあたりに問題があります。
高田駅の城のような変なデザインもそうですが、デザイナーという人種は困ったものです。
独善的で突飛なことは個人の敷地内で行ってもらいたいですね。
なーんて書くとナチュラルリビングの家もデザインばっかで除雪が大変でしょ、と言われそう。
でも、見た目はそうでも意外や意外。
急こう配の屋根は上から降ろしてくると屋根上を歩かなくてすむので雪下ろしがしやすいんです。
それに軒と階高が低いので雪下ろしが必要なほど積もった時には落ちてもそんなに怪我しない。
経験上、この大雪でも高田より海寄りならば45度の屋根まで無除雪でOK。
雪の多いところは大屋根方式8寸勾配が登れる限界と思います。
逆に7寸勾配の家は軒が高くなるので素人さんが登るのは危険かもしれませんから
二階建ての場合は6寸がいいでしょう。
それでもガルバ等のすべる屋根材の4寸勾配よりは安全に、そして楽に作業できますよ。
問題は、もう降ろすところがなくなっちゃたんだよなぁ。
ナチュラルリビングの家は基本的には降ろさなくていい強度がありますし、
いざ降ろす時に楽できるように考えてあります。
件の小学校も耐雪は3mだそうですが、
いざ除雪、の大変さが都会の人にはわからなかったのでしょう。
高床の家は街並みに威圧的でつくりたくないし、
落雪屋根の家は大雪で地上とつながると手がつけられないし、
いやはや、雪国の家は難しいですね。
都会の設計事務所の方も日本海側は来ないほうがいいですよ!
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